団体初となる東京公演は、京都で初演を迎えた2作品の連続上演!

「ダンス」に逃げない 石井達朗(舞踊評論家、愛知県立芸術大学客員教授)

倉田翠のことを知ったのは2年前、横浜で村川拓也演出の『終わり』を見てからだ。演劇界で注目の村川の新作を観にいったのだけれど、すべてがダンスだった。新奇なものに走りがちな昨今のコンテンポラリーダンスにあまり見ないほどに、動きは怜悧でストイック。倉田はダンサーとしてそこにいた。もともと倉田が過去に発表した作品の断片を村川が再構成したものであることが、あとでわかった。そして去年1月、倉田の新作『Allow』を京都のアトリエ劇研で観た。やはりシャープだ。他の人にないものを持っている――いや、抱えていると言うべきか。強靭で、大胆で、妥協せず、媚びない。しかしどこかに何かを抱えている。それはガラス細工のようにもろいのか、鋼のようにつよいのか、ちがう種類のものなのか? いずれにしろ倉田は「ダンス」に逃げない。「演技」で説明したりもしない。『Allow』のあとにつくられた『捌く』と『家族写真』。京都からの嘘のない直球が二つ飛んでくる。

倉田翠さん |山田せつ子(舞踊家)

倉田翠さんは、背が高くて、顔が小さくて、色が白くて、そして、油断ならない人です。彼女の思考回路は驚くほどまっすぐで、限りなく明晰ですが、毛細血管とも言えるような意識の回路が、複雑に張り巡らされています。それらが、ここかと思えばあそこから予想外に作動してくるのです。なので、少し面倒くさい人でもあります。そんな彼女が、このところ大変な勢いで作品を作っています。言葉を探し、踊り、そこにあるものを見つめ続け、ベテランダンサーや演劇演出家、子供からおばあさん、ツワモノから過呼吸男子までと、時に、震えるような健気さ、時に油断ならない傲慢さで格闘しています。悪意も優しさも、希望も断念もまるごと抱えて、人々とともに作りだす作品は、その地図を作りはじめたばかりです。鋭く、暖かい目で、この若い作家の登場を迎えていただけたらと思います。


『捌く』<東京公演>

 

やばいことは1人でやる。
誰が悪いかがはっきりしない「悪い」が1番悪い。

みんな一緒で、どうやってソロになるか。
男性10人のソロダンス作品。


日程
2018年5月1日(火)
11:00-/15:00-/18:00-

 

チケット料金
一般 前売:3,000円/当日3,500円
学生 前売:2,000円/当日2,500円

会場
d-倉庫 
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里6-19-7

 

※日時指定自由席。開演30分前より受付開始。



演出
倉田翠

出演
今村達紀 大石英史 楠毅一朗 竹ち代毬也 平澤直幸

狭間要一 正木悠太 諸江翔大朗 山本和馬 よしたく

 

寺田みさこ

 

 

スタッフ

演出助手:平澤直幸
衣装:清川敦子(atm)
広報・宣伝美術:岡南杏奈
音楽:genseiichi
照明:魚森理恵(KEHAI works)
音響:甲田徹

 

舞台監督:大鹿展明

小道具:仲谷萌(ニットキャップシアター)

制作:長澤慶太

主催:akakilike


『捌く』出演者プロフィール

・今村達紀 Tatsunori Imamura
振付家、踊り手、poseと休止、pauseと態度の間に踊りをうみだす。2014年4月1日から毎日どこかで呼吸を止めて踊る動画「本日の無呼吸」をweb上にupしている。白湯とカフェオレと薄いビールをこのむ。

・大石英史 Eiji Oishi
‪dracom登録メンバー。dracom以外では、庭劇団ペニノ、維新派、新聞家、トリコ・Aプロデュース、ソ・ヒョンソク演出作品、sons wo:、村川拓也演出作品、藤田貴大作・演出作品などに出演。‬

・楠毅一朗 Kiichiro Kusunoki
30歳過ぎて芝居を始めて、37歳からコンテンポラリーダンスを始めて、最近になって料理の楽しみを知って、チャーハンとか焼きそばとか、炭水化物ばっかり作ってる現在44歳、牡羊座の丑年です。年男であることは内緒です。

・竹ち代毬也 Mariya Takechiyo
92年舞台活動を始める。「体の在り方」に興味を持ちながらダンサー、演出家、振付家として活動。演劇や音楽家など異なるジャンルとの共作や外部出演も多い。平成の金粉ショー「新世界ゴールデンファイナンス」代表。毎年滋賀県のお寺で「東光寺アートフェスタ」のディレクターと雑用を行う。

・平澤直幸 Naoyuki Hirasawa
akakilikeの演出助手。

・狭間要一 Yoichi Hazama
京都生まれ。塗師。2011年会津漆の芸術祭招待出品。2013年のニュイブランシュで双子の未亡人「ミチコ」に出演。2016年KYOTO EXPERIMENT ルイス・ガレー(不可能な場所)に出演。

・正木悠太 Yuta Masaki
1990年、奈良生まれ。学生時代からダンスを始める。近畿大学にて碓井節子に師事。
2016年にラトビアへ留学。世界中を踊って周りたいと思っています。

・諸江翔大朗 Shotaro Moroe
俳優。現代芸術家の高嶺格に師事し、同氏の作品に多数出演。また、木ノ下歌舞伎、KUNIO、村川拓也らの作品にも出演。暇な時はフィリピンのスラム街でタコを釣ったりしている。
記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY」所属。

・山本和馬 Kazuma Yamamoto
振付家・ダンサー。
NPO法人DANCE BOX主催「国内ダンス留学@神戸」に参加。その後、関西を中心に活動し、国内外で作品を発表する。
2016年から自身の探求の場を「Diversion」と題し、踊ることそのものを模索する活動を行なっている。

・よしたく Yoshitaku
poppingやアニメーションダンスをベースにストリートダンスコンテストやバトルで入賞などする実績を持つ傍、コンテンポラリーの舞台やイベントなのどにも意欲的に出演する異色ダンサー。
絵とダンスと音の融合カンパニー「uzumono」主催

・寺田みさこ Misako Terada
ダンサー・振付家。
幼少よりバレエを学ぶ。1991年より砂連尾理とダンスユニットを結成し国内外で作品を発表。06年以降ソロ活動を開始し、自身の作品を発表する傍ら様々な振付家の作品に出演。アカデミックな技法をオリジナリティへと昇華させた解像度の高い踊りに定評がある。